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世界の人々を健康にするために
2009年12月号(Vol.39)

世界の人々を健康にする為に
株式会社ぬちまーす 代表取締役 高安 正勝さん

 

発明家になりたくて航空技師から転職

 「小学生の頃から発明家になりたかった」と、にこやかに話してくださったのは、沖縄が世界に誇る塩『ぬちまーす』の生みの親、高安正勝さん。まずは『ぬちまーす』の誕生秘話からうかがった。
ぬちまーす高安社長 

  「琉球大学物理学科を卒業後、一度は航空会社に技師として勤めたんですが、やっぱり発明家という子どもの頃の夢が忘れられなくてね」。

高安さんが発明し たのは、洋ラン栽培のための装置。デリケートな洋ランに通常の霧吹きで水をかけると、その水滴が温まった際、洋ランの花や葉が傷んでしまう。そこで、高安 さんは、今までにない微細な霧を発生させる装置を発案。

そんなとき、たまたま目にしたのが塩が自由化されるというニュースだった。高安さんは、ミクロの霧 を発生させる装置を使った、世界初の製塩方法をひらめいた。
「最初は缶コーヒーの空き缶と扇風機を使って実験しました。百回以上も試行錯誤をくり返すうちに、とうとう真っ白な粉雪のような塩になって。これが『ぬ ちまーす』誕生の瞬間でした」。

海水を細かい霧状にして水分だけを蒸発させ、空中で瞬間的に結晶化させる高安さんの製塩法なら、従来の製塩法と異なり、海 のままのミネラル成分を塩の中にとどめることが可能になる。

高安さんが発案したこの常温瞬間空中結晶製塩法は、日本をはじめ世界13の国と地域で特許を取 得。この春には、文部科学大臣賞(技術部門)、特許庁長官賞(知財功労賞)、発明大賞にて経済産業大臣から発明功労賞を受賞した。

 

海水のミネラルそのまま塩分を排出してくれる塩

  「この『ぬちまーす』は、海水のミネラルバランスがそのまま塩になっています。つまり、ナトリウムと同時に、余分なナトリウムを体の外へ排出してくれるカリウムが含まれている。だから、塩分を摂り過ぎない、体に優しい塩なんですよ」。ぬちまーすハウス内

  沖縄県宮城島沖の清浄な海水から生まれる『ぬちまーす』に含まれる塩分は、一般的な食塩より約25%低く、その分、カリウムやマグネシウムなど、生命の維持に欠かせないミネラルが21種類も含まれている。

2000年2月には世界一ミネラルの種類が多い塩としてギネスブックに認定された。
   健康によいだけではなく、旨味とコクをもつ味わいが評価され、2000年7月の沖縄サミット首脳晩餐会の料理にも『ぬちまーす』が使われた。その後も、2006年から3年連続でモンドセレクション金賞を受賞。

塩そのものとして美味しく、塩分の摂り過ぎから身を守ってくれるのだから、高血圧を心配しつつ、美食に目がない、なまから世代にとって、これほどうれしい塩はない。

 

母なる海の恵みだから母なる人を大切に

 「人間の体液、特に羊水は、海水のミネラル成分と非常に近いといわれています。すべての生命の源である、母なる海。その海から塩を作らせてもらっているのだから、僕らがお母さんたちを大切にしなくちゃ」と語る高安さんは、その想いから1つのルールを作った。

それは、ここで働くすべての女性スタッフは、子どもが体調を崩したり、学校行事があるときは、いつでも電話1本で仕事を休んでもよいという規則。地元のお母さんたちが多く勤めるこの工場では、高安さんが決めたルールのおかげで、退職者が少なく、勤続年数がとても長いのだという。 

「僕の夢は、いつかアフリカに『ぬちまーす』を届けること。栄養不良、特にミネラル不足で健康な羊水が作れずに、無事に出産できない妊婦さんや、病弱に生まれて来る子どもたちを、『ぬちまーす』のミネラルで助けたい」。

 夢は大きく、ゴールは遠く。すると人は大きく成長すると語る高安さん。高安さんは今、すでに次のゴールを目指して走り始めている。

空からみた株式会社ぬちまーす

 

 

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